『ダ・ヴィンチコードよりおもしろい!』と知人が言ってたので
観にいったのですが、
そもそも私はダ・ヴィンチコードが退屈で最後まで観られなかった。
なので比較はできません。
で、『天使と悪魔』ですがまぁ・・・
台詞がギリギリまでそぎ落とされていて、
メッセージ性が高い映画だと思いました。
逆にメッセージが効いているから
暗号を解く主人公たちの「格闘」が薄まって見えるというか・・・
悩ましいところですね。
「宗教には欠点があるが、
それは人間に欠点があるからだ」
たったこれだけの<シンプルな視点>を伝えるのに
こんなに波乱を起こさなければいかんのか、という・・・
世紀末か、ってくらいの・・・
宗教と科学の小競り合いがローマ市民にまで危機をもたらすという・・・
どんだけあんたらえらいんじゃっていう・・・
宗教 対 科学 っていうより、
伝統的なもの 対 新しいもの って公式じゃないでしょうか。
宗教に対して狂信的(ファナティック)であることと、
科学の盲信は「怖れ」があるという点で同根のような気がします。
なんに対しての「怖れ」かはうまく説明できない。うん。
伝統的なもの 対 新しいもの の公式で好きな映画は
『ショコラ』(2000年、ラッセ・ハルストレム監督)なんだけど、
私はラッセ・ハルストレム監督の「寓話」「おとぎ話仕立て」が好きでして。
(ギルバートグレイプ、サイダーハウス・ルールでがつーんとやられ、
ショコラでひれ伏し、
今度『HACHI』でまたやられるよ!!きっと!!
ベタなのに!!)
現実は騒々しく純粋に生きようと思ってもうまくいかないから、
過酷な設定であればあるほど
極度に純化された「おとぎ話」「ファンタジー」に安心感を抱ける。
『ロード・オブ・ザ・リング』もあれだけのおどろおどろしい冒険譚ながら、
安心して見れたのは主人公たちの純粋さが際立っていたからだ。
『天使と悪魔』はそういう点でおとぎ話にならない。
暗に聖書否定か、とハラハラしました。
(ネタバレにならない程度に、このへんで・・・)
イエス・キリストは『聖☆おにいさん』のイエスみたいだったらいいのに・・・
と本気で思っている私だった。
『天使と悪魔』のヴァチカンはすごい迫力ですが、
立川で暮らしている聖イエスさんのゆるゆるムードとのギャップが
気になってしかたありませんでした。
単なる中村光さん信者かもしれません。