午前中、渋谷のシネクイントで『サンシャイン・クリーニング』を観る。
『リトル・ミス・サンシャイン』のプロデュースチームが手掛ける
ヒューマンドラマ。
前作と同様「ちょっとヘンなおじいちゃん」として
アラン・アーキンが出演。
前作も今作も家族みんな問題を抱えてて「ヘン」なんだけど、
支えあって生きてる。
コーエン兄弟のインディーズ風味(『ビッグ・リボウスキ』とか)が
好きな人はこのプロデュースチームの志向と合う気がする。
って言いきるのは乱暴か。
上質の映画には上質のレビューが存在するので
私が褒めなくてもいいと思うが、
ノラ役のエイミー・ブラントは
『プラダを着た悪魔』のあのお姉ちゃんだよ!
・・・でわかる人はわかると思うが、
(若いときのボーイ・ジョージに似てる・・・)
大人の体の中に「少女の心」を持ったまま
整理できないキャラクターをよく演じていて
なんともあぶなっかしくて「助けたくなる」キャラクターでした。
そういう点で、姉のローズがつい妹を援助しちゃう気持ちにも
入り込めた。
姉妹ふたりの父も「だめ親父」なんだけど、
主人公のローズもシングルマザーで昔の同級生と
不倫してる「だめんず」なもんだから、
もう、観客としてひたすらハラハラしどおしで。
天国にいるふたりのママになったつもりで
支えてあげたくなってしまうというか。
母性本能が引き出される映画。
女性向け、と書かれていることが多いようですが、
がんばっているキャリア志向ではなく、
傷を受け止める「癒し」「の物語。
誰一人「助けてあげる」スーパーマンのいないキャスティング。
彼らの世界には強い人がいない。
だから観客が愛を与えられる「スキ」がある。そんな映画。