原宿クエストホール。
ここでは開演前にロビーで
フリーフードフリードリンクで楽しめるという話なのですが↓
http://ameblo.jp/issey-ogata/entry-10324879225.html
この日は家を出るのがぎりぎりになってしまい、
すべりこむようにして座席に座りました。
イッセー尾形の舞台はビデオでしか観たことがなかった。
芝居は、というか、イッセー尾形氏の芝居はとくに、
観客と一緒に「空気」から作り上げているものなのですね。
映画や漫画がスタッフ間で作られているのに対して。
それを感じられたのがよかったです。やっぱライブはよい。
たった一人の人間が、一回の舞台の上で何人もの人間を
演じるのだから、できるだけ早く設定を
理解してもらわなければいけないわけで。
たとえば今回のキャラのひとり↓
置かれてる状況が珍しくても、
(店員を呼んでいてブティックだとはわかるが、
なんでカーテンないの、というフシギからはじまる)
ヘアクリップとかおどおどした態度、
「東京で売ってないヘンなスカートに惹かれてる」ってところで
観客と演者との間に
「あーあーあー」みたいな共通認識が生まれます。
(何系だか知らんが、私はびみょ~にこのタイプに近い・・・)
彼女が着ている服の色味はちょっとうろぼえなのですが、
配色だけでも「あーあーあー」と。
誰もが「あーあーあー」って思い浮かべるような「平凡な」人々が
一貫して「ちょっとヘン」な事象に巻き込まれる。
一貫してかっこいい人は出てこない。
(しいていえば、着替え中の氏のハダカがかっこいいと思う。
50代であの体型は萌えますね!)
どっちかっていうと、押しの強い人に
押されてる側の人が多い。
(私にとってはなごみ系)
もしくは周囲の迷惑に気付かないタイプか。
イッセー尾形氏のお芝居は
どうやら「大人」が作った世界です。
一般の人と一緒に舞台をつくるワークショップの説明に、
「俳優イッセーと演出家森田は、30年前は台本や装置のある普通の芝居をしてたんですが、生活に追われるようになり正業に就き、お金の掛からない方法をあみ出さざるを得なかったのです。それがこんな変わった芝居を始めたキッカケでした。そしてその時に、職場で地道に生きてる人たちの人情や機微に眼が開かれたのです。これまでテレビや映画、舞台で取り上げられなかった人たちを新たに発見しました。恋愛も犯罪も裸とも関係のない、我々の描いた人物の数は350人を超えました。我々は日々の生活に忙しい人たちと、一緒に芝居をすることが念願だったのです」
とありますが、なるほど「まっとうな」「地に足のついた人たち」と作る世界。
そういうのは、擦りきれないし、飽きない。
30年間お客が途切れたことがないという舞台は、
この日も満員でした。