仙台をお昼過ぎに出て、一路、宇都宮へ。
ここへは5月の益子陶器市で知り合った
レンタルギャラリーのオーナーの
Mさんご夫妻に会いに行ったのでした。
宇都宮といえば餃子。
餃子三昧。
ご夫妻のお宅兼ギャラリーで
お手製のお料理とともにご馳走になったのでした。
宇都宮には正嗣派とみんみん派がいて、
ご夫妻は正嗣派。
生まれたときからずっと宇都宮のMさんは
冷蔵庫にいつも正嗣の餃子を10人前(2箱)入れておくのが常識らしい。
正嗣のお店に行くと、顔パスで2箱ドン!と持ってきてもらえるらしい。
これはMさんのご主人の出身地・岩手の郷土料理、
「ごぼうもち」。
岩手はありえないほど餅を食べるという・・・。
ごぼうもちは、すったごぼうの中にお餅が入っているのですが、
野趣あふれる、素朴で美味しい料理でした。
※余談ですが、仙台の人はあんまり餃子を食べないと聞きました。
餃子の王将がそんなに多くないのはそのためだとか。
Mさんのご主人は建築家で他県出身なので、
栃木県のことを文化的、歴史的な視点から
お話してくださいました。
栃木は過去に災害が少なかったので、
他の土地の人たちから援けてもらった
体験が乏しく、内向的な部分があります、と。
感覚的には関東より東北の一部だと思います、と。
なるほど、災害にあって困る、というのは
他の土地からの訪問を受け容れるチャンスでもあるのですね。
そうですよね、自分たちで完結できるのなら、支援など要らない。
その点、益子は栃木県の中でも
異端の土地。
歴史的経緯から、他県出身の人だけでなく外国人も
多く移り住んでいる。
写真は益子の山のほう。
宇都宮に一泊し、翌日、Mさんの車で連れて行ってもらいました。
陶器市から今年2度目です。
写真は「もえぎ本店」、益子の中心地から
ありえないほど遠く離れた山里に建っているギャラリーです。
なぜこんなところに建てたのか・・・。
(駅からは車でないとぜったい行けないところです)
どんだけすごいところに建ってるのか、
ちょっとMさんに立ってもらいましょう。
この、坂の上!!
車で登ると、傾斜で前が見えなくなります!!
怖いのでひーひー言いながら足で登ると
やっと見えてきた。
周りは自然の木々。
素晴らしい環境です。
どん。(さらに階段がある・・・神社か!)
さすがこんな場所につくっただけあって、天井も広くて
ゆったりした展示でした。
中にはカフェもありますし、ワークショップも行われています。
もえぎ HP:http://mshop.cool.ne.jp/
ここだけでなく、中心地のほうのギャラリーにも
行きましたが、たくさんの作品が並んでいて
もう大変な地震の被害があった土地だと忘れて見ていました。
全半壊した登り窯の復元はまだまだでしょうが・・・。
ちょっと話は前後しますが、
益子はカフェも充実しておりまして、
今回は週末だけピザを焼くイタリアパン工房、
PANEM(パネム)に連れていってもらいました。ランチがてら。
大きな窯の横で焼いている大きな背中はオーナー。
美味しかったんですよーーー!ピザ。
こだわりのパン生地を使っているだけに、どしっとして味が深くて。
でも・・・・・旅から帰って数日後、
Mさんから「パネム、もうすぐ閉店するみたいです」と
連絡があり。
理由はHPに掲載されていて(いまは閉店のお知らせの
コメントがなくなって事後のコメントに変わっていますが)
多くを語らず、お子様のことを考えて、とのことでした。
ほんの少し前に行って美味しくって
また行こう、と思ったお店が閉店?!・・と
なんだかショック受けちゃいましてね・・・。
益子の顔と言える有名カフェのオーナーさんも
震災後移転し、
工房と焼く前の作品を残して国へ帰った外国人作家さんもいたりで
とても複雑な気分です、とMさんもおっしゃっていました。
作家や店には「ファン」がつきますから・・・。
地元の人との関わりも・・・。
私も多くは語るまい。
ただ淋しいです、残念です、としか。
よそ者の私ですらそう感じたのですから、
住んでる方、Mさんのように町と関わっている方は
もっといろんな色の感情を持たれたでしょうね。
たくさんのそういった話を聞いて。
止めようがないけど、悲しむくらいはいいじゃないですかっっ!
震災から5カ月後の旅。
あと数カ月後にはまたちがう感覚があるかもしれません。
とりあえず、今回の記録は終わりです。
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